底辺工場なので普通の人なのにIT大臣になった

いちおう会社でパソコンが使えます。前に誰かが使っていたものでちょっと古いですけど、十分使えるものです。


Excelというのは表計算ソフトだそうです。みんなは形式の決まっている書類をExcelで作っていました。シートと呼ばれるページにあらかじめ枠線などが入っていて必要なところに書き足して印刷するというわけです。


やりかたを教わって、おれもやってみました。日付を入力して、番号を入力して、品目と単価と数量と合計を入力して、もういちど合計を入力する欄があるのでもういちど入力して…… もういちど品目と数量を入力する欄があって…… 同じことを3回くらい入力しました。パソコンなのに手間がかかります。まあ、手書きよりきれいに印刷できるからいいんですけどね。Excelというのは表計算ソフトだそうです。


おれはすごいことを思いつきました。もしかして合計の欄に「単価 * 数量」と書いておけば自動的に計算してくれるんじゃないだろうか。そう思って試してみると、なんと、そのとおりにうまくいきました。あと、同じことを書くところは一箇所だけ入力すれば他のところにも自動的にコピーしてくれるようにできました。あとブイルックアップ、これは難しかった。これは参考書を見ました。そしてブイルックアップのおかげで入力ページと印刷ページを独立させることができました。これで1つの入力リストで複数の印刷フォーマットに対応できます。


あまりにも便利になってしまったので、他の人にも使ってもらうようにしました。みんなたいそう喜びました。それ以降パソコンのことでずいぶん頼りにされるようになりました。


そうして(株)テーヘンのIT化は一歩進んだのでした。